コース マネジメント
2015-06-30

さまざまな選択を強いられる日本屈指の難関~名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース

 春先恒例のビッグ・トーナメント「中日クラウンズ」の舞台となっているのが、この名古屋ゴルフ倶楽部 和合コースだ。安定しない風に加え、狭くて起伏に富んだファエウェイ、小さく硬いグリーンなど、プロをも悩ます日本屈指の難コースといわれるホール攻略を解説する。
※2011年1月発行「72ビジョンゴルフvol.26」に掲載されたものを編集、加筆して再録したものです。

ゴルフ場詳細

    
設計者 大谷光明
総ヤード数 <Cグリーン>6545ヤード/パー70 <Nグリーン>6393ヤード/パー70
開催トーナメント 中日クラウンズ
所在地 〒470-0153 
愛知県愛知郡東郷町和合
電話 052-801-1111
FAX 052-804-3900
アクセス ■車
<東名高速ルート>東名三好ICより約18分<東名高速2号ルート>高針ICより約16分
■電車
名古屋市営地下鉄鶴舞線「赤池駅」よりタクシー約7分
サイト http://nagoyagolfclub-wago.com/

300ヤードのフェアウェイ狙いなら、バーディも
<HOLE.1 370Y PAR4>

 コース全体の特徴として、林でセパレートされた林間コースであること、フェアウェイが狭くて起伏に富んでいること、グリーンが小さくて硬いことなど、「日本的な難しさ」が凝縮しているコースといえます。全体的に距離が短いのに、飛ばし屋の外国人選手でも攻略に手を焼くのは、コース両サイドの林と、絶妙な位置にあるバンカーなどのハザードによって、ティショットの落としどころが狭くなっているから。また、日本特有の2グリーンで、ともにグリーンの面積が小さく、しかも、フェアウェイのアップダウンによって、セカンドショットの距離を合わせにくいことが、難しさを増しています。

 ほとんどのホールで、ドライバーを使って思い切って攻めるか、それ以外のクラブで確実なポジショニングをするか、という選択を迫られますが、例えば、このホールでドライバーを使うとしたら、左の林の上をショートカットし、300ヤード地点付近のフェアウェイに運ぶのがベスト。この位置まで飛ばせば、グリーンが小さいだけにバーディの確率はかなり高くなるといえます。また、もしポジションを取るなら、ホールがドッグレッグするあたりのフェアウェイ右サイドを狙って打っていくと、グリーンへの見通しが良好で、花道も直線的に使えるので、グリーンに止めやすくなります。スタートホールということもあり、ここではこちらの攻め方を選択するプロのほうが多いと思います。

プロでも困難な林越え。ポジショニング選択が良か
<HOLE.16 376Y PAR4>

 このホールも、1番ホールと同様に左ドッグレッグで、ドライバーを使うなら、左の曲がり角をショートカットして打っていきます。ただし、1番ホールよりも曲がり方がきついので、ティから300ヤード地点のフェアウェイは、ほぼ真横の向きになるというのが、このホールの難しいところ。フェアウェイが横向きということは、つまり、奥行きがないということなので、ここに正確にボールを運ぶには、飛距離を出すことはもちろん、最も良いキャリーの出る弾道で打つことが求められます。また、ドッグレッグが急なので、ティからグリーンまでの直線距離は350ヤード弱。飛ばし屋なら1オンも狙えそうですが、そのルートにある左サイドの林が高いので、プロでも越えるのは難しいでしょう。

 ティショットでポジショニングを選択した場合、フェアウェイのコーナー左側にあるバンカーの手前が、落としどころが広く、ベスト・ポジションといえるでしょう。プロなら、3番ウッドよりさらに短いクラブ、アマチュアならドライバーでこのエリアを狙えるはずです。そこからグリーンまで、150ヤード弱なので、7番、8番アイアンなどに自信があればしっかり振り切ってピンを狙えます。

風の通り道を利用した、パ-3の名設計ホール
<HOLE.17 175Y PAR3>

 このホールは風の通り道をうまく利用して設計されていて、距離をそれほど長くしないで難易度を高めている、パー3の名設計ホールといえます。近年、男子プロトーナメントの場合、パー3の長さが200ヤードを超えるケースが多く、全長によって難易度を出すというのが主流になっていますが、あまり距離を長くするとプロでも「乗ればOK」というメンタリティーになってしまい、ピンを果敢に狙うスリリングな展開になりにくいというのが難点です。

 その点、このホールは、使用クラブが6、7番アイアンくらいになるので、どのプレーヤーも積極的にピンを狙っていく。にもかかわらず、ピンに寄せ切れなかったり、グリーンを外したりするケースが多いのは、そのくらいの番手は、ボールが高く上がるので、風の影響を受けやすいからです。しかも、このホールのティグラウンドが木に囲まれていて、風の向きを感じづらいというのが、設計の妙といえるでしょう。

 パー3では特に、風の強さや方向の判断が重要です。その際、ティグラウンドで感じる風より、グリーンの近くの風を見極めることが大事。ピンフラッグのはためきや、グリーン周囲の木の先端がどの方向に揺れているか、グリーンそばの池の水面がどんなふうに波立っているかなど、注意深い観察が必要となります。

簡単ではないフェアウェイ・キープ。無理をせず賢明に
<HOLE.18 435Y PAR4>

 このホールは、プロでもフェアウェイをとらえたときの安堵(あんど)感が大きいホールです。フェアウェイが左から右に傾斜しているので、当然、フェアウェイの左サイドを狙って打ち出していくわけですが、左に打とうという意識が強すぎて、狙いよりもさらに左に打ち出してしまうミスに注意が必要です。また、うまくフェアウェイをキープしても、セカンドショットの残り距離は長めで、しかも、セカンド地点よりグリーン面が高く、距離感がつかみづらい。トーナメントで上位争いをしているというような状況なら、難しさが何倍にも感じられるショットになるはずです。

 アマチュアがプレーするなら、ティショットは左のラフでもいいので、確実に左に打っていくことが大事。フェアウェイをキープできた場合は、ピンの位置に関係なく、花道方向からグリーンの広い面を狙う、ラフに入ってしまったら、無理をせずにグリーン手前のフェアウェイを狙い、3打目勝負というのが、賢明な攻め方でしょう。

 フェアウェイに傾斜がある場合は、傾斜に逆らう球筋で狙うと、実はリスクが高くなります。このホールのように、左から右に傾斜したフェアウェイの場合、フック系の球筋で狙うと、打ち出し方向がフェアウェイの右サイドとなり、万が一、フックが掛からずに真っすぐ飛んでしまった場合、左サイドにミスするよりも深刻なトラブルに見舞われる危険性が高いのです。

講師:横田英治

ETGS(江連忠ゴルフスタジオ)所属、プロゴルファー。15歳でゴルフを始め、高校、大学で活躍後、1996年プロテスト合格。ツアープレーヤーを経て、ETGSに所属しプロを目指すアスリートから一般ゴルファーの指導を始め、メディアにも多数出演している。「狙う、構える、打つ」という3つの基本をベースに個性を生かし、レベルアップの楽しさに導く指導が人気。

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