コース マネジメント
2015-09-17

攻めやすそうに見えるホールに落とし穴がある~東京よみうりカントリークラブ

 男子ツアーのシーズン総決算となる『ゴルフ日本シリーズJTカップ(以下日本シリーズ)』。その舞台となる東京よみうりカントリークラブは、最終ホールが珍しくパー3になっており、その難しさから名物ホールにもなる。コースレイアウトがオーソドックスに見えるが、ところどころにトラップが仕掛られている。特に攻めやすく見えるホールこそ、細心の注意が必要である。
※2012年11月発行「72ビジョンゴルフvol.31」に掲載されたものを編集、加筆して再録したものです。

ゴルフ場詳細

    
設計者 井上誠一
総ヤード数 7024ヤード/PAR72
開催トーナメント ゴルフ日本シリーズJTカップ
ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ(1973年~2008年)
所在地 〒206-0822 
東京都稲城市坂浜685
電話 044-966-1144(予約専用)
FAX 044-954-5005
アクセス ■車
<中央高速道路>稲城ICから約10分<東名高速道路>東名川崎ICから約40分
■電車
<小田急線>新百合ヶ丘駅からタクシーで10分<京王線>稲城駅からタクシーで10分
サイト http://www.tokyoyomiuri.com/

両サイドに広がる崖がティショットのプレッシャーに
<HOLE.1 396Y PAR4>

 スタートホールは、誰でも無難にやりすごしたいものなので、設計する側としても、あからさまに難しい印象を与えるような造り方はしないのが普通です。東京よみうりの1番ホールも、ほとんどストレートの上りで、距離もレギュラーティからなら374Yと、それほど長くはなく、どちらかというと「出やすい」印象のホールです。しかし、見た目のやさしさに安心して、安易に攻めるとボギーやダブルボギーの危険が待ち構えているというのが、「上手い設計」で、まさにこのホールがそれに当たります。

 このホールの難しさは、フェアウェイの左右が谷になっていて、ティショットをその谷に落としてしまうと、ほとんどの場合、グリーンを狙うことができず、確実に1打損してしまうことです。ただ、フェアウェイは広いので、通常なら谷に落ちる確率は少ないのですが、ホールの全長がフルバックティから396Yで、さらにティからグリーンまでだらだら上っているために、数字以上に長く感じるというのが落とし穴。それを知っている人ほど、ティショットで少しでも遠くへ飛ばしたい衝動にかられ、力みからボールを曲げてしまうというわけです。

 フェアウェイを確実にキープするコツは、まず球筋をはっきり決め、次にボールを打ち出す方向の目印もはっきり決めてから打つことです。狭いホールほど、出球の管理をしっかりすることで、OBになるほどボールがそれる(あるいは曲がる)ということは少なくなります。このホールの場合、多くのプロはフェアウェイ右サイドのバンカー方向を狙って、フェアウェイの右サイドをキープするように打っていきます。フェアウェイをとらえさえすれば、セカンドショット次第でバーディも狙えるホールです。

2オンしやすくバーディ合戦を演出するパー5
<HOLE.17 535Y PAR5>

 17番は、打ち下ろしのパー5で、ティショットがホール攻略の最大のカギを握るホールです。ティショットをフェアウェイに打てれば、かなりランが稼げて、2オンを狙えるのに対して、ラフに入れてしまうと、最低でも20~30ヤードは飛距離をロスしてしまい、2オンの可能性はぐっと低くなります。そればかりか、2打目をレイアップしても、3打目がやさしくないのが、このホールの難しいところ。グリーンには奥から手前にかなりきつい傾斜があって、短いクラブで打つほど、スピンでグリーン手前まで戻ってしまう可能性があるからです。

 ティショットがフェアウェイにさえあれば、プロなら5番アイアンから7番アイアンくらいでグリーンに届きます。このくらいの番手ならスピンがかかりすぎることもなく、ピン方向を狙っていけるます。最高のショットを打てば、1ピンくらいのイーグルトライという可能性は十分にあります。また、このホールは、アマチュアでも、ティショット次第で2オンにチャレンジすることは可能です。アマチュアの場合、プロと比べるとロングショットの精度がかなり落ちますが、自分自身で仮に10%でもチャンスがあると思うなら、狙ってみる価値はあるでしょう。力んでしまう状況で、思い切り力んで打ってみるというのも、アマチュアのゴルフの楽しみ方ですし、それで成功した時の達成感は得がたいものがあるからです。もし、失敗しても、話のタネにはなるはずです。

グリーンの傾斜と長い距離が難易度を高める名物ホール
<HOLE.18 224Y PAR3>

 18番ホールは、ツアーでも屈指の難易度を誇るパー3で、「パー3.5」くらいと考えるべきホールといえます。このホールの難易度を高めているのは、まずその長さです。224Yの打ち上げは、プロでもロングアイアンが必要で、風向きによってはウッドでも届かないということすらあります。そして、例え1オンしたとしても、グリーンの強い傾斜が、容易にパーセーブを許してはくれません。

 グリーンの傾斜は奥から手前に向かっていて、カップの上にはつけたくないので、ティショットの狙い目は、ほとんどの場合、グリーンの左手前となります。グリーンはティから見て右側が高くなっているので、左手前からのアプローチは比較的寄せやすいからです。プロでも「フロントエッジでもいい」というつもりで打つケースが多いでしょう。もちろん、グリーンオンを最初からあきらめているということではなく、最高のショットを打てば、グリーン左手前にオンするけれど、フロントエッジに外れるなら、ミスとしては許容範囲ということです。

 カップより下(で左サイド)にオンした場合は、かなり曲がりの大きなスライスラインになります。普通のコースでは考えられないほど、ラインをふくらまして打つことになるので、勇気を持って、ラインの頂点に向かってパットを打ち出すことが必要です。アマチュアがプレーする場合でも、グリーン左手前からというルートが基本となりますが、むやみに振り回さずに、手前の花道を狙っていくのがいいでしょう。もし、1オンすれば、最高にスリリングなパットにチャレンジできます。

講師:横田英治

ETGS(江連忠ゴルフスタジオ)所属、プロゴルファー。15歳でゴルフを始め、高校、大学で活躍後、1996年プロテスト合格。ツアープレーヤーを経て、ETGSに所属しプロを目指すアスリートから一般ゴルファーの指導を始め、メディアにも多数出演している。「狙う、構える、打つ」という3つの基本をベースに個性を生かし、レベルアップの楽しさに導く指導が人気。

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