コース マネジメント
2015-11-09

フラットで距離の長さがダイレクトに反映される~鷹乃台カンツリー倶楽部

 鷹乃台カンツリー倶楽部は、過去に5回の日本オープン開催実績がある名門で、第二次世界対戦により閉鎖を余儀なくされた鷹乃台ゴルフが前身となる。コースのタイプは典型的な林間コース。高低差がほとんどなくフラットなので、長いホールは、その距離の長さがダイレクトにプレーヤーにはね返ってくるのが特徴となっている。トッププロでもティショット時にプレッシャーが掛かるといわれている1番ホールから、攻略法を探っていこう。
※2011年9月発行「72ビジョンゴルフvol.30」に掲載されたものを、編集・加筆して訂正したものです。

ゴルフ場詳細

    
設計者 井上誠一
総ヤード数 OUT/3521y IN/3581y 総ヤード/7102y(ベントグリーン、バックティ)
開催トーナメント 日本オープンゴルフ選手権競技(2011年、2000年他)
サイト http://www.takanodaicc.or.jp/

ティショットの精度が求められる“最初の難関”
<HOLE.1 429Y PAR4>

 ティショットは、フェアウェイの右サイドにバンカーが見えるので、それを避けて左に打ちたいという衝動にかられます。ですが、左のラフに入ってしまうと、前方にある木が邪魔になってグリーンを狙えなくなるため、バンカーを避けつつ、きっちりとフェアウェイに運ぶという精度の高いティショットが要求されます。

 もし、左のラフに入れてしまったら、邪魔な木を避けてグリーンの右サイドを狙い、できるだけ飛距離を出すというのが最善の策です。それでも、グリーンの右サイドからは下りのアプローチが残るので、パーを取るのは簡単ではありません。スタートホールのティショットは、距離を出すのか、フェアウェイをキープするのか、どちらにするのかをはっきりと決めてから打たないと、失敗しやすいものです。ですので、朝の練習場では、スタートホールのティショットをイメージして、ドライバーのシミュレーションをしておくのがいいでしょう。

左右に配置されたバンカーが、視覚的トラップとなる
<HOLE.9 407Y PAR4>

 このホールは、フラットで全体の奥行きがつかみづらく、407ヤードという距離の割に、長く感じるホールです。フェアウェイの左右にあるバンカーは距離差があり、遠いほうの左のバンカーがより遠く見えるという視覚効果も働いています。

 左右のバンカーの配置には意味があって、右サイドはティショットがつかまりきらずに距離が出なかったときに入る位置、左サイドはつかまりすぎて(引っ掛けて)想定より距離が出てしまったときに入る位置になっています。これは、割とよくあるバンカー配置のパターンで、こういうホールでは、より入りやすい右のバンカーを、まずはきっちりと避けるというのが基本的な考え方となります。左のバンカーに届かない人なら、左のバンカー方向に打ち出すのがよく、右のバンカーをキャリーで越えられる人も、右のバンカーよりは左を狙って、リスクを最小にするのがいいでしょう。

 プロは、このホールのティショットを3番ウッドで打つプレーヤーも多いはずです。左右のバンカーを避けてフェアウェイに運べば、第2打は比較的短い距離のショットになるので、バーディの可能性は十分にあるからです。ただし、左奥からは下りの難しいアプローチが残るので、センターまでの距離を基準に、奥にこぼさない慎重さが必要でしょう。

ティショットは狭い花道を狙っていくのが最善策
<HOLE.15 233Y PAR3>

 このホールは、ティグラウンドから見ると、グリーン左側に高いヒマラヤ杉があり、グリーンの右手前は大きなバンカーでガードされているので、グリーンの入口が相当に狭く見えます。加えて、233ヤードと長いので、ティグラウンドでは、かなりのプレッシャーを感じるでしょう。

 ティショットは、ヒマラヤ杉の手前にショートするのが最悪のミスで、ここに外してしまうと、2打目でもグリーンを狙うのが難しく、ボギーで上がるのも苦しくなってしまいます。グリーン手前に障害物がある場合は、距離のジャッジをしっかりとして、その障害物を確実に越える番手を選ぶことが大事です。そうすることで、障害物を直撃したりしない限り、次のショットでは障害物が関係なくなるからです。

 このホールの場合は、ヒマラヤ杉を必ず越える番手で、しっかりと木の右側を狙って打てば、パーで切り抜けるチャンスが広がるということになります。ただし、右に逃げすぎると、右手前のバンカーや、さらに右の林の中に入って、もっと大きなトラブルになる可能性もあるので、「勇気を持って」狭い花道を狙って打っていくのが、実はいちばんトラブルが少ない攻め方かもしれません。

シンプルで基本的な攻めがリスク少なく、リワード得る
<HOLE.18 522Y PAR4>

 このホールの攻略ポイントは、グリーンの周囲にある計6つのバンカー群をどう回避するかにかかっています。特に、グリーンから最も遠いバンカーは、何としても避けたい。なぜなら、40ヤード以上のバンカーショットというのは、ゴルフでも最も難しいショットの一つだからです。

 このホールの設計の妙は、アマチュアがパー5としてプレーする場合、2打目をできるだけ飛ばしておきたいと思った途端に、このバンカーにつかまりやすくなっていることです。ただグリーンに近づけばいいというのではなく、3打目にきっちりと自分の得意距離を残すというマネジメントが、このホールでは必要です。

 日本オープンをはじめ、男子プロのトーナメント開催時には、このホールはパー4としてプレーされるため、ティショットは飛距離だけでなく、ポジショニングが重要となります。このホールのグリーンは2段になっていて、傾斜も強いので、できればなるべく短いアイアンで、カップと同じ段にボールを止めたいからです。グリーンから逆算して、ショットごとのポジショニングをしていくというのは、コース攻略の基本ですが、ホールが難しくなるほど、シンプルな基本の攻め方をするほうが、リスクが少なく、リワード(報酬)が多くなるといえるでしょう。

講師:横田英治

ETGS(江連忠ゴルフスタジオ)所属、プロゴルファー。15歳でゴルフを始め、高校、大学で活躍後、1996年プロテスト合格。ツアープレーヤーを経て、ETGSに所属しプロを目指すアスリートから一般ゴルファーの指導を始め、メディアにも多数出演している。「狙う、構える、打つ」という3つの基本をベースに個性を生かし、レベルアップの楽しさに導く指導が人気。