コース マネジメント
2016-02-05

小さいグリーンと深いバンカーが安易な攻略を阻む――我孫子ゴルフ倶楽部

 1930年開場の歴史あるコースで、日本オープンや日本プロの舞台となってきた我孫子GC。2017年には、日本女子オープンの開催が決まっている。何といっても、深くてあごの高いバンカーが特徴で、青木功や海老原清治など、ここで育ったプロにバンカーの名手が多く、「我孫子流」と称されることでも有名だ。
※2012年5月発行「72ビジョンゴルフvol.33」に掲載されたものを、編集・加筆して訂正したものです。

ゴルフ場詳細

    
設計者 赤星六郎、プライアン・シルバ(改造設計)、カイ・ゴールビー(改造共同設計)
総ヤード数 6912ヤード/パー72
開催トーナメント 日本シニアオープン(2002年)、日本女子オープン(2009年)など
サイト www.abikogc.com/

正確な距離と球筋を必要とするアリソンバンカー
<HOLE.3 195Y PAR3>

  我孫子GCのバンカーは、いわゆる「アリソンバンカー」(廣野ゴルフ倶楽部などを設計した英国人設計家、チャールズ・ヒュー・アリソンの設計特徴に由来)が多いことで有名ですが、この3番ホールは、そのバンカーによって難易度が上がる典型的なホールです。195ヤードというのは、最近ではパー3として極端に長いというわけではないのですが、グリーン手前に深くてあごの高いバンカーがあることで、距離以上に難しくなっています。仮にティショットがこのバンカーにつかまったとすると、高いあごを越えるために、短い距離でもある程度、クラブを振る必要があります。

 その場合、プロでも少しインパクトが強く入りすぎてしまい、飛びすぎることがあるのですが、このホールはグリーン奥のOBが近いので、バンカーショットにプレッシャーがかかります。バンカーには、入れてもいいバンカーと、絶対に入れてはいけないバンカーがありますが、このホールのバンカーは典型的な後者。普通なら、グリーンオーバー覚悟で、バンカーを確実に超える番手で打てばいいのですが、このホールはグリーン奥のOBが浅いので、そうもいかない。正確な距離感で、しかもきっちりグリーンに止められる球筋を求められるという、赤星氏の設計の上手さが光るホールです。

椎の木が遮る2打目。迷いなく振るが正解
<HOLE.6 519Y PAR5>

 6番ホールは、プロでも少しインパクトが強く入りすぎてしまい、飛びすぎることがあるのですが、このホールはグリーン奥のOBが近いので、バンカーショットにプレッシャーがかかります。バンカーには、入れてもいいバンカーと、絶対に入れてはいけないバンカーがありますが、このホールのバンカーは典型的な後者。普通なら、グリーンオーバー覚悟で、バンカーを確実に超える番手で打てばいいのですが、このホールはグリーン奥のOBが浅いので、そうもいかない。正確な距離感で、しかもきっちりグリーンに止められる球筋を求められるという、赤星氏の設計の上手さが光るホールです。フェアウェイの起伏が特徴的なホールです。ティグラウンドから270~280ヤードくらいのところから先が、幅60メートル、深さ9メートルの谷になっていて、飛距離の出るプロだと、ティショットがこの谷に落ちる可能性があります。ティショットのベストポジションは、ティグラウンドから250ヤードくらいのフェアウェイ。

 このホールの難しいところは、パー5なのに、2打目をただ飛ばしてもスコアにつながらないことです。グリーンの手前80ヤードくらいの地点に、大きな椎の木があり、これに近づくほど、場所によっては3打目が狙いづらくなるからです。3打目で木が邪魔にならない場所を狙って、2打目を思い切り飛ばしていくか、あるいは、2打目はあえて飛距離を抑えて、3打目で木の上を越えていくか、決断を迫られます。こういう場合、どちらにしても中途半端な気持ちで打つと失敗しやすいものです。刻むなら刻む、飛ばすなら飛ばすというように、気持ちにメリハリをつけて攻めることが大事でしょう。このホールのグリーンは決して小さくはないので、2打目が上手くいけば、バーディのチャンスは十分にあります。

距離が残る左手前バンカーは絶対に避ける
<HOLE.7 204Y PAR3>

  7番ホールは204ヤードと長いパー3で、前のホールのパー5から、難易度の高いホールが続きます。18ホールの中には難易度のリズムがあります。難しいホールが続くところでは、大きくスコアを崩さないように我慢して、その後に訪れるチャンスを確実に生かすというのが、いいスコアを出す秘訣です。仮に、6番ホールでパーが取れなかったとしても、あわてた気持ちのままティショットに臨むのは禁物。ティグラウンドに立ったら、前のホールの結果は忘れて、そのホールの攻略だけに集中するという習慣をつけたいものです。

 このホールには、グリーンの左手前にバンカーがあり、ここに入れてしまうと、40~50ヤードのバンカーショットが残ります。この距離のバンカーショットは、ゴルフで最も難しいショットのひとつ。したがって、3番ホールとは別の意味で、「絶対に避けるべき」バンカーとなります。必ず越えられる番手を選ぶか、十分に右を向いて打つといった対策が必要です。200ヤードを超える長めのパー3は、プロでも、少しのミスでダボになるホールです。こういうホールは、パー「3.5」のホールだと考え、きちんと「3.5」を目指してプレーすることが大事です。つまり、そのホールを2回プレーしたら、必ずパー、ボギーで収められる、慎重なプレーをするということです。

ティショットの成功でバーディの可能性が広がる
<HOLE.18 432Y PAR4>

 18番は432ヤードのパー4で、セカンドショットの精度が求められるホールです。ただし、その前にティショットの落としどころが問題で、プレーヤーの飛距離によって、ティショットの難易度は変わってきます。飛距離の出るプレーヤーなら、右サイドのバンカー方向に打っていくと、バンカーを越えて、ボールがフェアウェイに出てくる確率が高いでしょう。しかし、飛距離の出ないプレーヤーだと、このバンカーにつかまる可能性が高く、2オンはかなり厳しくなります。飛距離の出ないプレーヤーの場合は、バンカーの左を狙って、きっちりフェアウェイに打っていくのが、ベストルートとなります。ティショットが上手くいけば、セカンドショットは6番~8番アイアンといったところですが、グリーンの手前右と、左サイド、さらに奥にもバンカーがあるため、グリーンをとらえるのは簡単ではありません。

 ミドルアイアンで、きっちり高さを出して、グリーンに落とす技術が試されます。グリーンをとらえられれば、ラインは比較的読みやすいので、バーディのチャンスは十分にあります。よく設計されたコースというのは、求められた技術を完璧にこなさなければスコアに結びつかないものです。言い換えると、「結果オーライ」の許容範囲が狭い。つまり、我孫子GCのようなコースは、自分のショットの質を計るバロメーターになるということです。

講師:横田英治

ETGS(江連忠ゴルフスタジオ)所属、プロゴルファー。15歳でゴルフを始め、高校、大学で活躍後、1996年プロテスト合格。ツアープレーヤーを経て、ETGSに所属しプロを目指すアスリートから一般ゴルファーの指導を始め、メディアにも多数出演している。「狙う、構える、打つ」という3つの基本をベースに個性を生かし、レベルアップの楽しさに導く指導が人気。

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