コース マネジメント
2016-03-08

「ヒロイックタイプ(報酬型)」 コースの攻略――ABCゴルフ倶楽部

 勇気を持って攻めた結果、バーディのチャンスが訪れる。そういうルートが、明確に想像でき、挑戦欲をかきたてられる。こうした、一般的に「報酬型」と呼ばれるコースの代表格が、ABCゴルフ倶楽部である
※2013年9月発行「72ビジョンゴルフvol.42」に掲載されたものを、編集・加筆して訂正したものです。

ゴルフ場詳細

    
設計者 鈴木正一、佐藤健
総ヤード数 7235ヤード/パー72
開催トーナメント マイナビABCチャンピオンシップ(2016年10月27日~10月30日)
サイト http://www.abc-golf.co.jp/

左サイドのOBが罠。恐れず正確なティショットを
<HOLE.15 535Y PAR5>

 ABCゴルフ倶楽部の、全体的なコースの特徴は、リスクを恐れずに果敢に挑戦して、もし最高のショットを打つことができれば、バーディやイーグルの可能性がより高くなる、「報酬型(ヒロイックスタイル)」であるということです。そして、その傾向は(アウト、インとも)後半のホールほど強くなります。15番ホールは、ティショット次で2オンを狙えるパー5ですが、ティショットの狙いどころは狭く、左サイドにはずっとOBが続きます。2オンを狙うなら、右サイドのフェアウェイを確実にとらえることが絶対条件で、それ以外の場合は、グリーン手前100ヤードくらいに第2打を刻むのがセオリーとなります。左サイドがOBになっているのが、このホールのよくできているところで、つまり、強振すると左に飛びやすいというゴルフの特性を使って、ワナを仕掛けているわけです。そのワナを恐れずに飛距離を出しつつ、正確なティショットを打てるかどうかが、このホールの最大のカギになります。

 レギュラーティからは、アマチュアでも飛距離の出る人なら2オンの可能性があるので、ドライバーは積極的に攻めていってもいいでしょう。ただし、ティショットで思うような結果が得られなかった場合は、その後の慎重さが必要です。最悪なのは、2打目で飛距離を欲張って、グリーン右手前にある、縦に長いバンカーに入れてしまうことです。30~40ヤードのバンカーショットが残る確率が高く、これは、ゴルフで最も難易度の高いショットとなります。2打目を刻む場合、漫然とグリーンのそばまで打つというようなクラブ選択はよくありません。プロは「刻む」と決めたら、7番アイアンなど、しっかり短いクラブで打つので、ミスになりにくいのです。

難関は池ではなく傾斜の強いグリーン
<HOLE.16 221Y PAR3>

 グリーンの右サイドに大きな池が広がるパー3ですが、このホールの最大の難関は、この池ではなく、左から右に強く傾斜するグリーンです。右の池は、右サイドのグリーンエッジからは距離があって、その間にバンカーもあるので、仮にピンが右手前でも、実際に入ることは少ないと思います。ただ、視覚的なプレッシャーは十分なので、そのプレッシャーに負けて、左に打ってしまうと、グリーン左横のバンカーに入る危険性が高まります。このバンカーからは、強い下り傾斜のグリーンに向かって打っていくことになり、かなり難しいショットとなるでしょう。


攻めればイーグルやバーディーを狙える報酬型ホール<HOLE.18 525Y PAR5>

 18番のパー5は、「報酬型」の典型的なホールです。2打目、あるいは3打目で必ず池越えになるショットを成功させれば、イーグル、またはバーディの可能性がぐっと高まりますが、もちろん、池に入れてしまうリスクもあります。攻めるべきか、自重すべきか、自分の順位や相手の状況を見ながら、最後までギリギリの判断を迫られる、トーナメントのヤマ場のホールです。2008年のトーナメントでは、最終日、石川遼プロが2打目を池に入れてしまったものの、3打目のウォーターショットを見事に成功させて、優勝しています。2オンを狙うには、まずは、左右のバンカーを避けて、フェアウェイにボールを運ぶことが不可欠です。最近のプロは飛距離が出るので、左のバンカーの真上を越えるルートで狙ってくるケースもありますが、基本的には左バンカーの右を狙って打っていくのが、一般的なルートです。バンカーの先のラフに転がり込まなければ、距離的には問題なくグリーンを狙えます。

 レギュラーティからなら、アマチュアでも2オンを狙えそうなヤーデージ(481ヤード)ですが、グリーンを狙うのに、必ずキャリーの飛距離が必要なので、かなりの飛ばし屋でない限り、2オンは難しいでしょう。もし、2オンの可能性がないなら、ティショットで無理をせず、5番ウッドやユーティリティなど、自信を持って打てるクラブを使うというのもひとつの手です。3打目勝負の場合も、2打目のポジショニングが非常に大事です。グリーンは左奥からセンターにかけて強い傾斜があり、奥につけてしまうと、超高速のパッティングが残ります。できれば、ピンの手前につけたいところですが、ツアー屈指の難グリーンを体験してみるのも、楽しみのひとつかもしれません。

講師:横田英治

ETGS(江連忠ゴルフスタジオ)所属、プロゴルファー。15歳でゴルフを始め、高校、大学で活躍後、1996年プロテスト合格。ツアープレーヤーを経て、ETGSに所属しプロを目指すアスリートから一般ゴルファーの指導を始め、メディアにも多数出演している。「狙う、構える、打つ」という3つの基本をベースに個性を生かし、レベルアップの楽しさに導く指導が人気。

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