コース マネジメント
2016-04-11

「視覚的恐怖」をいかに克服するか――ゴルフ5カントリーオークビレッヂ

 うねったフェアウェイ、池を効果的に採り入れたレイアウト、数多く配置されたバンカー、それに大きな1グリーンというのが「アメリカンタイプ」のコースの特徴。挑戦するか、退くか、常に選択を迫られる、スリリングなプレーがその醍醐味だ。
※2012年11月発行「72ビジョンゴルフvol.36」に掲載されたものを、編集・加筆して訂正したものです。

ゴルフ場詳細

    
設計者 デズモンド・ミュアヘッド
総ヤード数 7024Y Par72
開催トーナメント 開催トーナメント/東ハトレディス(1994-97年)
サイト http://www.oakvillage.co.jp/

プレーヤーの視覚的恐怖を利用する絶妙な設計
<HOLE.14 183Y PAR3>

  設計者のデズモンド・ミュアヘッドは、視覚的な恐怖を利用して、プレーヤーの心理を操作する設計が多いことで知られています。それを典型的に示すレイアウトが、アイランドグリーンで、ゴルフ5カントリーオークビレッヂでは、この14番のパー3がアイランドグリーンとなっています。グリーンが浮島になっていて、周囲を池で囲まれているため、明確に安全なルートはなく、必ずグリーンを狙って打たなければならないプレッシャーに打ち克つことが、このホール攻略の最大のポイントとなります。

 グリーンが浮島になっている場合、必ずグリーンのセンターより奥に届くクラブで打つというのが、絶対条件です。なぜなら、浮島に届かずに池に落ちてしまうと、ドロップ場所が池の手前になることから、結局ティグラウンドからの打ち直しを選ばざるを得ないことが多いからです。そうなると、一度、池に落としてしまった恐怖から、何度も同じミスを繰り返してしまうことも、十分あり得ます。同じ、池に落としてしまう場合でも、一旦、浮島に触れてから手前に戻って落ちるとか、グリーンをオーバーして落ちるのであれば、浮島上にドロップ地点を設定できる可能性が高いので、センターより奥に届くクラブが必要というわけです。

ティショットは一番自信のあるクラブで!
<HOLE.15 394Y PAR4>

  ティからグリーンまで、左サイドがずっと池になっているホールです。ティショットは、池を避けて、右サイドに打っていけば安全ですが、その場合、セカンドショットでも池の存在感が大きいままなのが難点です。危険を承知で、フェアウェイのセンターから左サイドにボールを運べれば、2打目では池があまり気にならないアングルで、グリーンを狙うことができます。この場合、ティショットはドライバーではなくて、いちばん自信を持って打てるフェアウェイウッドなどで打つのが、賢い攻め方と言えるでしょう。

 2打目は多少長くなるかもしれませんが、ティショットで池に入れるリスクを減らしつつ、ベストポジションにボールを運ぶ確率が高くなるからです。普段から、フェアウェイウッドでのティショットを練習をしておくと、こういう場面でとても役に立ちます。ティショットが成功しても、セカンドショットのクラブ選択には注意が必要です。グリーンが1グリーンで、非常に大きいため、ピンが手前にある時と、奥にある時では、1.5番手から2番手くらいの距離差があるからです。しかもグリーンには段差があり、きちんとピンのある段に打っていかないと、バーディチャンスというより、むしろ3パットでボギーのピンチとなってしまうかもしれません。

グリーン左手前にバンカーが心理的プレッシャーを与える<HOLE.17 169Y PAR3>

  このパー3のよく出来ているところは、バックティからでも169ヤードという短さです。ほとんどのプレーヤーが、ショートアイアンで打つことになりますが、ショートアイアンのミスは左に飛ぶことが多いために、グリーン左手前のバンカーの、心理的プレッシャーがより強くなる設計なのです。見た目でメンタルを揺さぶられるのが、アメリカンタイプの特徴ですが、そのプレッシャーに負けずに、勇気を持ってグリーン方向に打ち出していけるかどうかが、ホール攻略のカギです。ティショットさえ成功すれば、距離的にはパーやバーディのチャンスが少なくないホールと言えるでしょう。

 ただし、短いクラブで打てるからこそ、風向きには細心の注意が必要です。短いクラブほど、弾道が高くなり、より強く風の影響を受けるからです。世界中で難しいとされるパー3のほとんどは、160ヤード前後の比較的短いホールです。マスターズが行われる、オーガスタナショナルGCの13番ホールなどは、その代表例で、短いからこそ、風が強く影響し、トッププロでさえダブルボギー以上のスコアになってしまうこともあるのです。

講師:横田英治

ETGS(江連忠ゴルフスタジオ)所属、プロゴルファー。15歳でゴルフを始め、高校、大学で活躍後、1996年プロテスト合格。ツアープレーヤーを経て、ETGSに所属しプロを目指すアスリートから一般ゴルファーの指導を始め、メディアにも多数出演している。「狙う、構える、打つ」という3つの基本をベースに個性を生かし、レベルアップの楽しさに導く指導が人気。