コース マネジメント
2016-04-21

日本屈指のシーサイドコース      大洗ゴルフ倶楽部

 茨城県の大洗海岸沿いに植えられた防風林の松を、巧みに生かした設計で、美しくも難しいシーサイドコース。数々のプロトーナメントの舞台となった、歴史あるコースをどう攻略するか、プロの視点で解説する。
※2013年5月発行「72ビジョンゴルフvol.39」に掲載されたものを、編集・加筆して訂正したものです。

ゴルフ場詳細

    
設計者 井上誠一
総ヤード数 7190Y Par72
開催トーナメント 開催トーナメント/三菱ギャラントーナメント(1986、93、96年)、日本オープンゴルフ選手権(1998年)、三菱ダイヤモンドカップゴルフ(2004、07、09年)、ダイヤモンドカップゴルフ(2013年)など
サイト http://www.oarai-golf-club.co.jp//

松林の「中之島」がある最難関ホール
<HOLE.5 450Y PAR4>

   大洗GCの18ホールは、1ホールも油断できませんが、その中でも最難関のホールが、早くもアウトの中盤に訪れます。5番ホールのパー4は、バックティから270ヤード地点、フェアウェイの右サイドに、松林の「中之島」があり、これによってティショットの難度が極限まで高められているのが特徴です。当然、フェアウェイの左サイドを狙わなければならないのですが、ティグラウンドからだと、視覚的に、この中之島がホールのセンターに見えるために、左サイドを狙いきれないことが多いのです。しかも、フェアウェイは左から右に傾斜しているため、2打目で中之島がスタイミーになる可能性が高くなります。

 プロは、打ち出しの方向と球筋をしっかり決めて、その球筋に集中して打っていきますが、アマチュアは難しい状況になるほど、プレッシャーで、事前のショットプランを練る余裕がなくなり、力んで球を曲げることが多いようです。長いホール、難しいホールほど、飛ばすことよりも、トラブルなく2打目が打てるところにボールを運ぶことが重要です。このホールの場合、ティショットをどんんなに飛ばしても、2打目がロングアイアンやウッドになる確率が高いですから、無理に飛ばすよりも、確実なポジショニングを念頭にティショットのプランを立てるのが正解と言えます。

海風の影響を計算してショット
<HOLE.10 520Y PAR5>

  10番ホールは520ヤードのパー5で、プロのトーナメントホールとしては比較的短く、このコースで唯一やさしいパー5と言えます。ただ、右サイドがすぐ海となっているため、常に風が右から吹いていて、風が強くなるほど難易度も上がります。ティグラウンドから残り100ヤード地点までは、風の影響が比較的弱く、フェアウェイも起伏が少ないので、ティショットはさほどプレッシャーなく打っていけるでしょう。

 残り100ヤード以内になると、使うクラブがショートアイアンになることもあり、風の影響を受けやすく、難易度は一気に上がります。この地点では、風が真横というケースがほとんどで、短いアイアンで打つ限り、ボールはかなり左に流されるのを覚悟する必要があります。打ち出しの方向を、大胆に右に狙っていけるかどうかが、グリーンオンのカギとなります。グリーンの右側に外すと、グリーン面が見えない状況でのアプローチを強いられ、左側に外すとバンカーか、あるいはラフからバンカー越えのアプローチとなります。グリーンは大きくないので、3打目でグリーンをとらえることができれば、積極的にカップインを狙っていくのがいいでしょう。グリーンを外してしまった場合は、自重して、しっかりとパーセーブすることに目標を切り替えてプレーすることが肝心です。

プロでもウッドを使うパー3
<HOLE.16 245Y PAR3>

  16番からの3ホールは、このコースの難しさが全部凝縮されたような難ホールが続き、アマチュアならボギー3つで大満足、プロでも3ホールで1アンダーなら、最高の出来というほどの難易度です。その最初のホールとなる16番は、245ヤードと長く、プロでも3番ウッドや5番ウッドを使うパー3です。ティグラウンドから見ると、花道が広く、グリーンも比較的大きいので、一見やさしそうですが、やはり風の影響によって、見た目以上に難しく、気を抜くと簡単にボギーになってしまいます。風向きは、正面からのアゲンストということが多く、そのため、ホールの全長はヤーデージ以上に長くなります。それに加えて、真正面からのアゲンストというのは、ボールの曲がりを増幅する風なので、ちょっとのミスで大トラブルになる可能性もあります。

 また、長いクラブでのティショットは、右へのミスが多くなりますが、グリーンの右サイドには木が1本あって、右にミスすると、ほとんどの場合、この木が邪魔になってしまいます。出来るだけ低い球でラインを出し、グリーン左サイドの花道から狙っていくのがベストルートでしょう。ただし、左サイドの林がかなり近いので、球を抑えすぎて引っかけないように細心の注意が必要です。

攻めやすそうだが巧みな設計で難易度を増す最終ホール
<HOLE.18 437Y PAR4>

   18番は、437ヤードと、パー4としては普通の長さで、フェアウェイにはバンカーがひとつあるだけ、フェアウェイの幅も強烈に狭いというわけではなく、一見、攻めやすそうに見えるホールです。しかし、やさしく見えて、プレーしてみると実は難しいという、巧みな設計のホールばかりというのが、大洗GCの特徴で、18番はその仕上げのホールとなります。

 ティショットの狙い目は、フェアウェイ左にあるバンカー方向ですが、風は左からということが多いので、このバンカーまでは、ヤーデージ以上の距離があります。フェアウェイ右サイドの林は、フェアウェイの面より一段下がっているので、こちらに外してしまうと、ボールの状況によっては、OB以上の痛手も覚悟しなければなりません。その意味では、フェアウェイを外すなら、右サイドよりも、左のバンカーに入るほうがいいと言えるでしょう。グリーンは大きく縦長なので、ピンが奥にある場合は、大胆に番手を上げる勇気が必要です。右サイドに外すとアプローチが難しいので、2打目はグリーンの左から攻めます。ただし、風は左から吹くことが多いので、風を的確に読んで、しっかりと左に打ち出していくことが大事です。

講師:横田英治

ETGS(江連忠ゴルフスタジオ)所属、プロゴルファー。15歳でゴルフを始め、高校、大学で活躍後、1996年プロテスト合格。ツアープレーヤーを経て、ETGSに所属しプロを目指すアスリートから一般ゴルファーの指導を始め、メディアにも多数出演している。「狙う、構える、打つ」という3つの基本をベースに個性を生かし、レベルアップの楽しさに導く指導が人気。

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